
予測がつかないことにも
対応できる現場力を
山崎 京介松本製造部 製造課
Introducton
2001年入社以降、長く品質保証部門で製品評価などを担当。2009〜2017年は中国工場へ出向し、「現場・現物・現地」いわゆる「三現主義」の大切さを再認識した。2018年から製造部門へ。完成品組立工場の立ち上げを含め、製造全般を統括している。
プロジェクトに対する所感を教えてください
作る側も、使う側もワクワクするプロジェクト
最初に聞いたときは、斬新な発想でおもしろいとは思ったものの、「イメージできない」というのが正直なところでした。その後、試作品が出来上がる段階まで、ちゃんと想像できていたかと言われると自信がありません(笑)。
置いておいても楽しめる。それでいて、本来の器具としての機能もきちんと維持されている。そんな視点はなかったので、これまでの家電とは一線を画すものだと思います。「毛玉取り器には見えなかった!」という感想が多いでしょうから、これをきっかけに生まれる会話を想像するとワクワクしますね。そしてあらためて曲げわっぱに興味を持ってもらえたらうれしいです。
これまでも「作る側も、使う側もワクワクするような商品」を作っていきたいと思って仕事をしてきました。家電部門は中国工場での組み立て部分を増やす傾向にありましたが、今回はほぼ国内、松本工場で組み立てています。目の前でゼロから完成していきますから、生産のおもしろみが感じられるプロジェクトになりました。製造現場の人たちもモチベーションが高いです。

今回のプロジェクトで学んだことは?
現場を大事にする姿勢が生きた
今回のプロジェクトでは、完成品の組み立てラインで組み立て性を考慮した「課題出し」を行っています。新たな商品は、組み立て作業自体はそれほど難しくはありません。ただ、木を使ったものなので、寸法の精度が工業製品とは全然違う。そのため、蓋を閉める際の後処理に工夫が必要でした。クッション材を使用しているのですが、女性でも作業しやすい治具を開発したり、貼り付けも大変なので作業手順を考えていったり。
木を遣った製品は、机の上で予測がつかないことが多々あります。個体差が金属やプラスチックとは段違いですから。しかし、中国の現地法人で生産の現場にいたので、紙の上ではわかりにくいことが、現場に足を運ぶことですぐにわかることがあるという姿勢が身についていました。「現物、現場、現実」を大事にしなさい、というのは先輩上司からずっと言われてきたことです。今回はその姿勢が生きたし、量産のフェーズに入っても生きると思っています。

これから実現していきたいことは?
バトンをきちんと引き継いでいく
仕事というものは経験を積めば積むほど、最短距離が見えてきます。それはそれで素晴らしいこと。しかし今回は、設計の若手社員が今までと違った意見を出してきたりして、新たな気づきが多かったプロジェクトだと感じています。
原価に配慮して、設備にはコストをかけていません。組み立て方は既存の技術とそこまで変わらないのですが、これまでの弊社からすると圧倒的にロットが小さい商品になるので、コスト面でさまざまな配慮が必要だったんです。しかし、条件が違うとこれまでとまったく違う発想が生まれる。そういう意味で製造部門での気づきも多かったですね。これからも固定観念を持たずにチャレンジしていきたいです。
会社としては2022年から、サステナブルをテーマにした改善を部署ごとに1ヶ月1件ずつ提案するという「サステナ委員会」を立ち上げました。「Lint Remover Magewappa」は箱にもサステナブルの要素を取り入れています。大きな一歩になる予感があります。
ここから安定供給を続けていくことが製造部門の仕事。企画部門、開発部門、品質保証部門が繋いできたバトンを、きちんと引き継いでいきたいと思います。

Project Member
INTERVIEW
受け取ったバトン、つないだバトン
企画から、設計、品質保証、製造まで、プロジェクトに携わったメンバーが、どのようにバトンを受け取り、次へ渡したのか。
Lint Remover Magewappaの開発秘話をお届けします。
PRODUCTS
of GOES ON
長年受け継がれてきた技を未来へつなぐために。
地域の伝統工芸品のつくり手とIZUMIがとも
に開発したコラボレーションProductsです。